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デジタルマーケティングのビジネス目的と投資対効果

荻野 英希 /

objective-and-roiデジタルマーケティングの投資対効果は未だ多くの企業にとってわかりにくいものです。ユーザーの行動を正確に測定することはできても、それぞれの数値がビジネスに与えるインパクトを直接見ることはできません。ビジネスとの関連性を理解せず、闇雲にPVやいいね!数などのKPIを追い続けても、成果が出ることはありません。デジタルマーケティングの投資対効果を高めるためには、それぞれの施策のビジネス目的を正しく理解する必要があります。

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デジタル施策のビジネス目的は大きく3つ存在します。まずは「資産価値の向上」、次に「収益の成長」、そして「利益率の改善」です。例えば、競合ブランドとの差別化要因を明確にすることや、ビジュアルアイデンティティを統一することなどは、ブランドという資産価値の向上につながります。既存ユーザーに向けたクロスセルのプロモーションや、競合ユーザーに向けたサンプリング施策などは収益の成長につながります。CMSの導入を通じた運用費の削減や、DSPを活用した広告費の最適化は利益率の改善につながります。

ビジネスへの影響は施策毎に異なるため、複数の施策の投資対効果をひとくくりにして考えることはできません。目的の定義や、効果の測定は施策毎に行う必要があります。また、目的に合わせて、適切な予算を割り当てる必要もあります。利益率の改善を目的にテクノロジーを導入しても、広告宣伝費から支出をしてしまえば、結果的に短期間での収益成長を求められてしまうのです。

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デジタルエージェンシーの仕事は多岐にわたり、クライアントのビジネスに様々なインパクトを与えます。ブランドの顔であるWebサイトやソーシャルメディアを管理し、顧客を獲得するプロモーションを行い、様々なツールやテクノロジーを導入します。しかし、それらの施策の投資対効果を証明することができなければ、クライアントは全ての支出をコストとして認識してしまいます。その結果、デジタル施策に対する適切な投資ができなくなってしまうのです。今やデジタルエージェンシーには施策の実行を行う技術的なスキルだけでなく、試作毎の投資対効果を明確にし、クライアントのビジネスに必要な投資を正当化する能力が求められています。

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