あなたは、「アクセス数の多いメディアに広告を出稿したのに想定の集客が得られなかった」「アクセス数は集まるがコンバージョンへの転換率が低い」など、デジタル広告による集客がうまくいかないとお悩みではありませんか?そのような悩みは、デジタル広告をTVCMや雑誌広告と同じように捉えていることが原因かもしれません。
デジタル広告とこれまでの広告との最大の違いは、リアルタイムでモニタリングできること。そのため、広告を運用しながら成果を確認しつつ最適化を行うことが可能です。 “集客結果が出るまで何もしないのは、目を瞑ってボウリングをするようなもの…” デジタル広告においては正しく活用・管理さえすれば、結果と想定が大きく変わってしまうギャンブルのようなことは絶対に起こりません。今回は、WebプロモーションやECで集客を成功させるためにチェックするべき5つのポイントを紹介します。
1. 集客施策のゴールを明確に設定しよう
正しい達成目標が決まらなければ、正しい手法を選択することはできません。 キャンペーン応募なのか、製品購入なのか、会員登録なのか、まずは達成したいゴールを明確にしましょう。コンバージョンはユニークコンバージョンなのか、何度もコンバージョンする延べコンバージョンかも合わせて定義する必要があります。達成目標は単なるコンバージョンの獲得数などの数値ではなく、施策が持つマーケティングの視点を踏まえて厳密に定義しましょう。 コンバージョンポイントがないブランドキャンペーンの場合も、特定ページの閲覧数やコンテンツのダウンロード数、SNSへの共有数など、モニタリングできるポイントを設けて計測します。さらに、アクションだけでなくターゲットユーザーも明確にしなければなりません。デモグラフィックス(*1)やジオグラフィックス(*2)、サイコグラフィックス(*3)などによっても実施すべき集客施策は大きく変わってきます。
*1 デモグラフィックス:年齢、性別、職業などの統計情報 *2 ジオグラフィックス:住居や勤務地などの属性情報 *3 サイコグラフィックス:ライフスタイルや価値観などの心理学的属性情報
例: “競合製品を使用するユーザーに対して獲得単価を200円以下でサンプリングキャンペーンに応募させる”
2. 適切なデジタル広告手法を選ぼう
現在、デジタル広告には様々な手法や課金形態があります。コンバージョンで設定した目的とターゲットユーザーに合わせて、適した広告手法を選びましょう。
ディスプレイ広告(純広告)
特定の媒体の広告枠を買い付ける手法です。運用主体は媒体社側となり、通常は媒体側が公開しているメディアシートのデモグラフィックス情報等を参考にメディア選定を行います。
アフィリエイト広告
成果報酬型のインターネット広告商品です。KPIを定量的には達成しやすい利点がありますが、質のマネジメントが難しいため、アフィリエイトプロバイダーに対して配信するメディアの条件や課金する成果についてディスカッションしながら決定するとよいと考えます。 スマートフォンアプリのダウンロード等は”リワード広告”という名称が一般的です。
検索連動型広告
検索エンジンに対して、自社の関連性の高いキーワードを登録し、そのキーワードが検索された際に広告を配信する手法です。Yahoo!リスティング スポンサードサーチ・Google AdWordsが一般的です。 ワードは検索ボリューム、競合性を考慮してポートフォリオを組み、効果に応じて入札管理、キーワード・クリエイティブ精査を行いチューニングする事が一般的です。既にニーズが顕在化しているユーザーに対して配信するため、全体のポートフォリオの中での予算配分に注意しましょう。
ソーシャルメディア広告
ソーシャルメディア広告は、FacebookのLikeアドに代表される様に、そのソーシャルメディア内のエンゲージメントを高めるための広告配信と、ソーシャルメディアを面としてペイドメディアとして利用するタイプに分けられます。 広告媒体としてはTwitter、Facebook、LinkedIn等があげられます。
アドネットワーク/DSP
エージェンシーや広告主側に管理画面が開放されているサービス事業者が増えてきています。フリークエンシー、入札条件、クリエイティブ差し替え、ターゲティング手法等、管理画面で運用チューニングを行う事配信後に効果改善を行う事が可能です。一方オペレーションコストの増大やブランドマネジメント等は管理画面を運用する側が行う必要があります。
広告手法にはターゲティングのさせ方にも複数の方法があります。複数のターゲティング方法を使い分けることにより、本当にリーチしたいターゲットユーザーだけに配信を行うことが可能です。例えば”Google Display Network”では5つのターゲティング手法があります。
さらに、Ads Preferences Manager(https://www.google.com/settings/ads/onweb/?hl=ja)でGoogleがもつ個人の趣味嗜好情報やYoutubeで閲覧したコンテンツ内容などでもターゲティングすることが可能です。
例: 競合製品を使用するユーザーを高い費用対効果で獲得するために、ターゲットの質と獲得量のバランスを考慮して複数の広告手法を組み合わせた。
3. 広告の配信内容を最適化しよう
集客を成功させるためには、運用しながら必ずPDCAを回し、成果に対して広告の配信内容をチューニングしていく必要があります。
特にアドネットワークにおけるディスプレイ広告の技術は進化しており、昔ながらの広告枠の買い付けから、ページ内のコンテンツや閲覧ユーザーの行動などにより複数の広告がリアルタイムに入札して掲載を行うようになりました。広告の買い付けが「枠」から「人」へ、スタティックからダイナミックへと変化したことに伴い、広告運用の負荷は増えましたが、そのぶん成果を達成するチャンスは大きく広がったのです。そのため、管理画面を見ながら広告ごとに配信状況やコンバージョン数を確認し、成果に応じて配信内容や予算を最適化することが集客施策において非常に重要な作業となるのです。
広告運用の流れとしては、配信開始時にはディスプレイ広告の入札金額を高めに設定したり、リスティング広告のキーワードバリエーションを広げたりとしっかりと広告を機能させた上で、成果が出ない広告は停止し、より成果の良い広告に予算をアロケーションして最適化を行います。
例: アフィリエイト広告を細かく最適化することで、十分な獲得件数と質を得られたため、獲得母数が伸び悩んでいたリスティング広告の出稿予算をアロケーションした。
4. クリエイティブを最適化しよう
Google Display Networkのディスプレイ広告はオークション形式ではありますが、単価が高いものが必ずしも表示されるという訳ではありません。広告のインプレッションはeCPMという単位で売買されており、その値はCTR x CPC x 1000で算出されます。そのため、よくクリックされる広告は、そうでない広告と比べて少ない費用で広告を配信することが可能になります。
広告の内容が配信費用に大きく関わってくるため、集客施策の成果にはクリエイティブやコピーが非常に重要となります。ABテストなどを繰り返し、配信内容と合わせてクリエイティブの最適化も目指しましょう。
5. リマーケティング広告は正しく活用しよう
来訪して離脱したユーザーに対して、再度広告で訴求ができる”リマーケティング広告”は他の広告手法に比べて配信対象母数は少ないものの、離脱したページのコンテンツに応じて細かくコミュニケーション内容を変更することができるため高いCVRが期待できます。例えばキャンペーン応募ページを見て離脱したユーザーには、キャンペーン応募のメリットと期日が迫っていることを訴求する広告を展開するなど、CVRにつながりやすいコミュニケーションをとることができます。
その一方、コンバージョン時にリマーケティング除外設定を正しく設定できていないと、コンバージョンしたユーザーに何度も繰り返し広告を訴求してしまい、無駄な配信がユーザーの不快感を与え、ブランド価値の毀損を招く可能性もあるため注意しましょう。
昔は企業が直接顧客と接点を持つことができなかったため、メディアのインサイトデータのみが重要視されていましたが、デジタル広告の進化により自分たちで情報をストックできるようになりました。現在は手法に依存せず、自ら広告を管理しながら成果を最大化することが可能な時代ですので、活用して確実に成果を生み出す集客施策を実践していきましょう。
監修 : 松島 稔 - Fringe81株式会社