株式会社明治

明治ブルガリアヨーグルトの目指す未来を描き、実現するためのマーケティング戦略を導くワークショップ支援

ブランドの目指す姿を再整理し、関わるメンバーの共通認識を作るためのワークショップの実施

日本初のプレーンヨーグルトとして誕生し、発売50周年を迎えた明治ブルガリアヨーグルト。発売以来世代を超えて愛され続け、株式会社 明治を代表する商品の一つです。本場の正統を受け継ぎながら、時代に合わせた商品改良や新商品の発売などで常に進化を続けています。

日本でヨーグルトを食べる習慣がなかった時代から「ヨーグルト」という食文化を根付かせてきたブルガリアブランドですが、時代の中で、生活者のヨーグルトに求めることの変化や、ブランドを取り巻く競争環境も変化していきました。
そのような背景のもと、ブランドが直面しているマーケティング課題を解決したいとFICCにご相談いただきましたが、調査結果の分析やディスカッションを重ねていく中で、課題解決のためはまずブルガリアブランドの方向性(ブランド戦略)を見直す必要があるということが見えてきました。

そこで発売から50周年という節目を迎えた今、市場をリードするブランドとして目指す未来を再整理し、共通のゴールを目指し部門を横断して一貫性のあるマーケティング活動を行うことが必要だと考え、今回ブランドチームと共にブランディング・マーケティングのワークショップを実施しました。

メンバー全員が腹落ちする共通認識を作るためのワークショップ設計

マーケティング活動は複数の部門が連携することで成り立っています。今回は、マーケティング部門、商品開発部門、研究部門、デザイン部門、調査部門からブランドに関わるメンバー21名にご参加いただき、全6回のワークショップを設計。さまざまな視点からブランドの未来を見つめ直すことで参加したメンバーの方が自分ごと化できるようになってもらうこと、かつ、一緒に作り上げる工程を通してチームとしての共通認識を持ってもらうことをねらいに、部署横断で参加していただきました。

このワークショップの目的は、ブランドに関わる皆さんが腹落ちするような「共通認識」をつくること。関わるメンバーが心から共感し、目指したいと思える未来を描かなければ機能しないものとなってしまいます。そこで、目指す大義を描くために「インサイド・アウト」という考え方を取り入れました。

インサイド・アウトとは、自身の想いや経験などの「内発的動機」を起点に、問いについての解を出す考え方です。通常のマーケティング業務では、問題や課題、目標など外部情報から論理的に思考し、解を導き出す「アウトサイド・イン」で思考することが大半ですが、外部環境に変化が生じるたびに影響を受けるアウトサイド・インの考え方は、ブランドを定義することに適しません。ブランドが人々の記憶に残るために何よりも大切なのは、その活動に一貫性をもつこと。また、ブランドに関わる一人ひとりの想いを起点に大義を考えることでブランドに関わるメンバー自身に、より自分ごと化してもらえるようになります。

そのため今回のプロジェクトでは、5年先、10年先、それ以上を見据えて立ち返れるブランドの指針となるよう、インサイド・アウトの考え方をベースに共通認識を設計しました。

参加者の想いを起点としながらブランドが目指す未来と、それを実現するためのマーケティング戦略を描く

初回のワークショップでは、インサイド・アウトでの想いの発散練習として、自身の経験を起点に「個人の想い」と「会社での役割」の重なりを見出すパーソナルビジョンワークを行いました。

ワークでの発表から、日頃業務で携わる仲間たちの想いを聞くことで相互理解に繋がり、心理的安全性がより一層高まった状態でプロジェクトをスタートすることができました。

内発的動機ワークショップでの様子

ワークでは、ブランドの資源や、ブランドや社会が直面している課題の洗い出し、ブランドが信じる「食の在り方」を見出す問いなどを設計。今後起こりうる社会課題を起点に、ブランドだからこそ解決できることはなにか、メンバーそれぞれ考えていることや、ブランド・商品に対しての想いのディスカッションを重ねるなかで、ブルガリアブランドが理想とする食の在り方は「単なる栄養補給のための食事ではなく、食の中で感じられるつながりや幸せがあるもの」であることが見えてきました。
さらにディスカッションを重ねて、最終的に「食のたびに、1日何度でもしあわせを感じられる世界」こそがブランドが目指したいもの世界だと、参加者全員が納得できるブランドのあるべき姿(大義)を定義することができました。

その後、理想の世界を実現するためにブランドが行っていく活動の指針となる、大義に基づいたマーケティング戦略仮説を作成。ブランドや各商品が担うべき役割や、活用すべき資源や機会を整理していったことで、「あらゆる食事の場においてブルガリアヨーグルトを食べてもらえるためにブランドを想起するきっかけを増やす」という方向性を軸に戦略の仮説を導き出していきました。

今回ワークショップで導き出した戦略仮説は、今後、テストマーケティングや調査・検証を行っていくことで、ビジネス目標を達成するために投資優先度の高いターゲットクラスターの把握やマーケティング施策の投資判断を行うことが可能になる資産となりました。

最後に、これまでのワークの成果を共有するための報告会を実施したのち、最終ワークとして「それぞれの日々の業務において、ビジョンを達成するためにできることは?」という問いに向き合っていただき、マーケティング部門、商品開発部門、研究部門、デザイン部門、調査部門の一人ひとりが自分の立場からできることを考えていただきました。ビジョンを達成するためには、一人ひとりがビジョンを自分ごと化し、日頃の取り組みを通して持続・浸透させ続けていくことが何よりも大切です。ワークショップ形式で過程を共にしながら導き出したことで、全員が腹落ちした共通認識を作ることができ、メンバー一人ひとりが日々のアクションを明確にすることができただけでなく、部門の枠を超えた連帯感が生まれたことが何よりの成果となりました。

また、ワークを通して他部署のメンバーとも交流が生まれたことで、「業務時にコミュニケーションが取りやすくなった」「ブランドの強みを改めて認識することでブランドがもっと好きになり、日々の業務が楽しくなった」などのお声をいただきました。

お客様の声

2023年12月をもって発売50周年を迎えた明治ブルガリアヨーグルトが今後も皆さまに選ばれ続けるために、「ブランドとして大事にしていくことをマーケティング部門だけではなく、ブランドに関わるメンバーで練り上げ、次の50年に向けて強固なブランドとチーム体制を築いていきたい」という想いから本プロジェクトを始めました。ブルガリアヨーグルトの目指すべき未来を本プロジェクト参加メンバーで何度もディスカッションしていくに、赤ちゃんからおじいちゃん・おばあちゃんまで幅広い世代の方に長年愛されてきたブランドであることを改めて実感すると共に、50年間続いたこのバトンを次の世代にしっかり繋いでいきたいと強く感じるようになりました。本プロジェクトで得られた多くの気づきを生かして、「ブルガリアブランド、なんか最近面白いことやってるな~」と思ってもらえるように、チーム一丸となって一つずつ形にしていきたいと思っています。
ー 株式会社明治 ご担当者様

CLIENT
株式会社明治
CREDITS
Project Management / Workshop Facilitation:土屋 有未
Workshop Facilitation:稲葉 優一郎
Workshop Planning / Design:杉山 夏葵(Brand Specialist)、田崎 聖子(Communication Planner)、瀬田 翔太朗(Marketing Consultant)
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未来の社会を創造する
「ブランドマーケティング」

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FICCは、人の想いの共創を通じて、企業やブランドのビジネスを成功へと導くブランドマーケティングエージェンシーです。
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