100年続くブランドの独自価値や存在意義を整理し、社内の共通認識を作るためのワークショップを実施
明治ミルクチョコレートは1926年の誕生以来、日本を代表するチョコレートとして世代を超えて親しまれてきました。発売以来、変わらない製法を守り続け、伝統を大切にしながら来年で発売100周年を迎えます。
明治社では、機能性チョコレートなど他ブランドも展開する中で、明治ミルクチョコレートが今後も愛され続けるためには、独自価値をどのように訴求し、社内の他ブランドとどう棲み分けを図るかが課題となっていました。そこでFICCは「明治ミルクチョコレートの存在意義を明確にし、今後100年支持され続けるブランドの礎を築く」ことを目的としたワークショップを提案し、今回のプロジェクトがスタートしました。
嗜好品、かつ100年続くロングセラーブランドならではのワーク設計
FICCではブランドの大義を見出す際に、ブランドの特性に応じたアプローチを採用しています。例えば、ヨーグルトのように健康を目的として購入されるブランドの場合、どのような社会課題の解決に貢献できるかを起点にブランドの大義を考えていきます。
一方、明治ミルクチョコレートの場合は、機能的な価値ではなく情緒的な価値によって購入される嗜好品です。そのため、社会課題の解決を目指すというよりも、身近な人を幸せにすることがブランドの大義として相応しいと考えました。そこで、明治ミルクチョコレートがこれまでどのように人々を幸せにしてきたのかを紐解くことから始め、ブランド価値の整理を行いました。
明治ミルクチョコレートのようなブランドは、市場に長く存在し、定番商品として語り尽くされることで、陳腐化するリスクがあります。そのため、「王道的な価値」と「気づかれていない意外な価値」の両側面からアプローチを行い、ブランドの価値を見出していきました。
あわせて商品に対する理解を深めるために、開発部門の責任者の方から説明を受けながら、参加者全員で明治ミルクチョコレートが歩んできた100年の歴史を振り返りました。創業当初から変わらない原材料の配合比率に関するエピソードなど、長年ブランドを担当してきた方でも知らなかった歴史にも触れ、ブランドへの理解を一層深めていきました。
これらのステップを経て、明治ミルクチョコレートがこれまで提供してきたさまざまな価値やエピソードを参加者全員で発散し、最終的な収束として「100年間レシピが変わらなかった事で人々の中で蓄積された“口馴染みのある味”だからこそ、“ホッとする”存在」であることが明治ミルクチョコレートの新たな価値として定義できました。
こうした発散と収束から見えてきた明治ミルクチョコレートの価値を起点に、捉えるべき課題や、その課題に対してブランドが果たすべき役割について議論を重ね、全員が納得できるブランドの大義(Vision、Mission、Value、Role)を導き出しました。
ワークショップ終盤では、明治グループにおける、明治ミルクチョコレートブランドの存在意義を明確にするためのワークを実施。参加メンバーの過去や現在に担当した明治ミルクチョコレート以外のブランドの経験を活かしながら、明治ミルクチョコレートがコーポレートブランドや他ブランドに与える影響について、さまざまな視点でアイデアを発散し、議論を行いました。その結果、今回のワークショップの目的であった明治ミルクチョコレートの存在意義を明確にすることができました。

全5回のワークショップを通じて、参加者全員が納得のいく明治ミルクチョコレートの大義を明確にし、発売100周年を迎えるにあたり、必要なブランドアクションのための資源を導き出しました。
プロジェクト終了後、明治ミルクチョコレートの担当者からは、「明治社内やFICCさんのミルチへの愛に応えられるように頑張る力をもらいました!」「改めて明治ミルクチョコレートが多くの価値を持った商品であることを認識しました。私たちが思う存分に発散できる場を作ってくださり、それを収束して共通認識を持てる形にまとめてくださり感謝しています」といった声をいただきました。
お客様の声
2026年9月に発売100周年を迎える明治ミルクチョコレート。その記念すべき“とき”に向けて、明治ミルクチョコレートの現在の価値と、将来実現したい世界について捉え直すための大変よい機会となりました。マーケティング・開発・デザインなど各部門の担当者が一堂に集い、100周年と、さらにその先の100年に向けて何を継承するのか、新しくしていくのか、目線合わせができたのも大きな収穫です。今回のワークショップの結果を基に、お客様に明治ミルクチョコレートを手に取ってもらい、その美味しさを感じて頂けるコミュニケーション構築や商品開発に、参加メンバー一丸となって励んでいこうと思います!
ー 株式会社明治 ご担当者様