UCC上島珈琲株式会社(以下、UCC)は1933年の創業以来、コーヒーから生まれる笑顔のために商品開発・販売だけでなく、コーヒーに関するあらゆる事業を展開してきました。
コーヒーの淹れ方は人それぞれ。同じ商品でも淹れ方によって味は大きく変化します。「いつでも、どこでも、一人でも多くの人においしいコーヒーを届けたい」そんな想いから、UCCはコーヒーに関する情報を発信してきました。ところが、閲覧環境の変化や情報量の多さによって、ユーザビリティに課題を抱えていました。
そこでFICCは、Webサイトのユーザー体験を改善するために、単なるWeb制作ではなくブランドマーケティングの視点を取り入れたリニューアルを実施しました。
さまざまなニーズを持つユーザーを意識したWebサイトのコミュニケーション設計『UCCコーヒーアカデミー』
日本初のコーヒー専門教育機関『UCCコーヒーアカデミー』は、2007年開校以来、東京と神戸を拠点とし、コーヒーの楽しさや素晴らしさを探究しています。初心者からコーヒーを仕事にしたい人まで幅広い層が学べる場として、これまでさまざまなセミナー・イベントを提供してきました。
コロナ禍でおうち時間が増え、初心者でも「自宅で美味しいコーヒーを淹れたい」というニーズが増えた一方で、UCCコーヒーアカデミーは「本格的な学びの場」という印象が強く、初心者や趣味で学びたい人にとって申し込みに対するハードルの高さが課題にありました。さらに、コースやセミナーの情報量が多く複雑であったため、学びの深さやスタイルが選べるコース内容やプロフェッショナルな講師陣など、アカデミーの素晴らしさが最大限に伝えきれていない状態でした。
そこで、FICCは初心者でも受講しやすく、さまざまなニーズを持つユーザーを意識したWebサイトのコミュニケーションを提案。受講申し込み拡大を狙ったコンテンツのリニューアルを実施しました。
「見える化」に重点を置いたコミュニケーション設計で、セミナー予約ページへの誘導しやすさが改善
UCCコーヒーアカデミーの素晴らしさを伝えるために、各コースで学べることや資格取得に関する情報、講師紹介に加え、新たに「受講者の声」を追加しました。そこで、実際に受講した人のリアルな声に触れることで、自分にあったコーヒーとの関わり方をユーザー自身に発見してもらうきっかけづくりを目指しました。
UCCコーヒーアカデミーを検討する方に向けてコースごとに「受講者の声」を掲載することで、受講申し込みに対するハードルが下がり、サイト全体のコースやセミナー内容の「探す」「選ぶ」という情報設計との相乗効果で、ユーザー体験が改善。お申し込み専用サイトへの遷移数向上につながりました。
世界的資格制度『コーヒースキルズプログラム』に、UCCが取り組む意義を込めたコンテンツを制作
『コーヒースキルズプログラム』は、2018年より世界で最も権威のあるコーヒー協会SCA(Specialty Coffee Association)によるスペシャルティーコーヒー産業の世界的な資格制度です。UCCコーヒーアカデミーは、2023年4月より、世界に通用する資格が国内で取得できる場を開設しました。
FICCは『コーヒースキルズプログラム』の理解促進を狙ったWebサイトのコンテンツ制作を担当。UCCコーヒーアカデミーの担当者と一緒に資格に関する情報を整理し、日本国内向けに受講しやすくしたコンテンツの企画・制作を実施しました。
世界を舞台に活躍するプロフェッショナルを育てる。UCC本気の取り組みを伝える紹介ページを作成
1933年の創業以来、コーヒー文化を日本に根付かせてきたUCC。そこで、次なるステージとして、世界に通用するコーヒーのプロフェッショナルを育むという意志を込め「UCCはコーヒースキルでも、世界と日本をつなぐ」というコピーを作成。あわせて、本プログラムの紹介ページを作成することでUCCコーヒーアカデミーとの関係性を強化しました。
受講〜資格取得後のキャリアまでを想起しやすいコンテンツとストーリーを設計
充実しているからこそ複雑化した「プログラムの仕組み」について、学位取得方法の例を用いて分かりやすく表示。同時に、「講師紹介」「受講者の声」のページを作成し、SCAが定めるトレーナー研修を受講・試験を通過したUCCコーヒーアカデミー講師が教えてくれること、世界で活躍する受講者のリアルな声などを掲載。プログラム詳細だけでなく、今後のキャリアを描くうえでヒントとなる情報に触れ、プログラム受講のきっかけとなることを目指しました。
「コーヒーの淹れ方はここを見れば全てが分かる」を目指した『おいしいコーヒーの淹れ方』コンテンツリニューアル
コロナ禍により、おうち時間が増えたことで家でコーヒーを淹れてじっくりと味わいたいという人が増加しました。しかし、何から揃えてどのように始めたらよいのかは悩みどころ。UCCはそんな生活者に寄り添い、コーヒーの淹れ方に関する情報を発信してきました。
ところが、これまでのコンテンツでは文章の情報量が多く長いページになることで、ユーザーが知りたい情報になかなか辿り着けないという課題がありました。また、似たようなコーヒーの淹れ方に特化した情報コンテンツがサイト内にも存在している状態でした。
そこで、「コーヒーの淹れ方はここを見れば全てが分かる」、そんなユーザー体験を提供したいという担当者の想いを受け、FICCはユーザビリティ改善を狙ったコンテンツリニューアルを実施しました。
動画とセットでシーンごとのサムネイルを展開。あらゆるコーヒーの淹れ方を想定し、ユーザーの理解促進にこだわりました。また、それらの情報をアーカイブとして蓄積していくことで、さまざまな活用ができるよう意識しました。ユーザーの使いやすさを追求した結果、ページごとにテーマを独立させることで、各オウンドメディアとの連携がしやすい活用度の高いコンテンツとなりました。