寄り添うシンクタンクのようなチームを作りたい。FICCブランドを問い続ける取締役が目指す未来

今回インタビューをしたのは、FICCで取締役(CRO)を務める戸塚 省太。海外での学生生活を経て、2005年よりFICCへジョインするまでの道のりや、現在監修している経営推進サポートについて、そして将来取り組みたいことを聞きました。

デザイナーを志すきっかけとなったイギリスでの経験

僕は大学生時代にイギリスへの短期留学をした後、より明確なテーマを持ってイギリスで学びたいと思い大学院への留学を考えました。その頃、勉強のために見たBBC(英国放送協会)がきっかけでメディア・ジャーナリズムの道を志し、イギリスにあるカーディフ大学院のジャーナリズム学部へ進学することとなりました。

在学中に「オンライン・ジャーナリズム」というクラスで、オンライン上での表現や発信を知るためにWebデザインを学びました。今まで自身の考えを表現する機会がなかったので、アウトプットしたものを人に見せて評価されるという場がとても新鮮で楽しく、Webデザイナーになりたいと考えるようになりました。当時は海外での就職が難しいこともあり、まずは日本で経験を積んでからイギリスに戻りたいと思っていたんです。日本に帰ってきてから、制作会社のポートフォリオ本を見ていた時に、偶然FICCの事例に目が留まり連絡しました。そして、2005年に晴れてWebデザイナーとしてジョインすることとなりました。当時のFICCは、主にラグジュアリーブランドのWebデザインを手掛けていた会社でした。

「問い」を与え続けることが人を成長させる

いちデザイナーとして5年ほど活動していましたが、後輩が増えたことやプロジェクトの規模が大きくなるにつれて、ディレクターへとロールが変わっていきました。案件としては、「リプトン」や「カフェ・ド・パリ」のプロモーション施策などのクリエイティブディレクションを担当しました。

デザイナーからディレクターにシフトする段階で一番苦労するのは、メンバーには答えではなく、根気強くヒントとアドバイスを与え導かなければならないということです。当時はディレクターとしての知見がなかったことや、自分で手を動かせないもどかしさからのモチベーションダウンもありました。最初は手探り状態でしたが、メンバーの成長のためにも「問い」を与え続けることを意識していました。例えるのであれば、エンジンをかける「潤滑油」のようなポジションですね。具体的には、作ったものが上がってきた際に「なぜそのアウトプットやアプローチをしたか?」とメンバーに問いかけをしていました。デザインのアウトプットで大切なのは、理由を明確に伝えられることです。色やレイアウトなどデザインの細部は枝葉の話ですよね。正解は一つとは限らないので、あくまで個々人の感性でバリエーションがあっても良いと思います。きちんと自分が出したデザインについての理由が答えられないようであれば、クライアントからの要件やフィードバックからヒントを与えたり、デザインの基礎原則の視点から誘導もしてあげられます。メンバーが経験を積み成長することで、僕一人では思いつかないようなアイデアが上がってきたりすると、自分の中で手応えと楽しさ感じました

その後は徐々に組織を見る立場になり、執行役員となりました。スタッフ数も増えてきて、会社の体制を整える必要性を感じながらもできていないもどかしさを感じていた中、代表の荻野(現FICC会長)から声を掛けてもらい、2017年に取締役になりました。思い返すと会社をより良くするために、やるべきことをやるべくしてその立場になったという感じです。

取締役になってから現在までは、会社の体制を整えるというところで、コーポレート部門の体制強化、給与体系や評価制度、その他社内ルールの整備を行ってきました。また、FICCのミッション・ビジョンの言語化やブランド定義のアップデートなど、役員と連携しエクイティ※ 構築のためのアクションもリードしてきました。

※エクイティ:一貫した体験によってステークホルダーの心の中に形成されるブランドの意味

なぜ経営推進サポートは設立されたのか

経営推進サポートは2020年に設立した部署です。FICCでは各事業部ごとに売上や予算管理を行い、マーケティングアクションを実施しています。そこで、事業部がより自走するために「FICC全体でのインバウンドの獲得」と「各事業部がセールスアクションを推進するための仕組みや基盤整備」をミッションとし、事業部をエンパワーメントする「経営推進サポート」の設立を決めました。そのタイミングでサイト解析や広告分析を得意としているメンバーである藤掛を迎え入れ、役員である僕と代表の森が監修をするひとつのチームとなりました。

現在は「セールス機会の最大化」と「各事業部のセールス基盤強化のサポート」の2つを主な軸として業務を行っています。「セールス機会の最大化」とは、​分かりやすく言うとお問い合わせの件数を増やしていくことです。現在は新規顧客への広告(主にリスティング)配信による自社サービスへの誘導をしています。将来的には、事業部の戦略やセールスの計画に合わせて、フォーカスする事業部やサービスのお問い合わせを増やしていく予定です。

そして「各事業部のセールス基盤強化のサポート」は事業部側が営業活動をスムーズかつ確度高く行う上で、まずは基盤として使用しているマーケティングのオートメーションツールを整え、そこから得られる情報を事業部に提供し営業活動に活かせるよう、フィードバックをしています。

エンパワーメント視点で現場に寄り添うチームの今後

僕は現在チームの監修と、ブランドエクイティの構築、セールスの状況、経営推進サポートで見出した考察などの観点から、FICCサイトの監修とディレクションを兼務しています。このディレクション業務はいずれ新しくジョインしてくださる方にお任せするつもりです。このポジションでは、FICCが10年以上にわたるブランドマーケティングの実績で培ったフレームワークを活用し、ブランドマーケティングの視点でより戦略的にコミュニケーションに反映できる技術を身につけることができます。連携する社内のステークホルダーが多い業務なので、エンパワーメントの視点で現場に寄り添いつつ、コミュニケーションでリードできる方にぜひお願いしたいと思います。

僕自身、プレイヤー時代から「FICCというブランドをどうやって見せ、成長させていくか?」を常に考えています。役員や経営推進サポートとしてやっていることは違えど、考え方の根幹は地続きで変わらないものなんじゃないかなと思うんです。デザイン経験があり非言語のものをビジュアル化するのが得意だからこそ、役員となった現在でも自然とFICCのエクイティを管理する立場にいるんでしょうね。今後一緒に働く方には、僕視点でのクリエイティブに対する普遍的な視座もお伝えしつつ、業務や経験を通じてその方の人間的な成長や気づきに繋げてもらいたいと思っています。

今は事業部を「エンパワーメント」する立場の経営推進サポートですが、将来的には各事業部に対して「示唆を与えられる=ギブができる」チームになるべきだと考えています。言わば、芯の強さの中にも優しさを持つ「寄り添うシンクタンク」になっていって欲しいですね。

会社とメンバーが補い合い、未来に向けて問い続ける

FICCには「感謝の心をもち“お互いの存在” に感謝する」という、関わる人や会社すべての存在が多様かつ貴重であるという考え方があります。学生時代にさまざまな国籍の学生と接し、身を持って文化や価値観の違いを実感した経験があったからこそ、僕も大切にしている考えの一つです。FICCで働くメンバーの一人ひとりが「どのように働きどのように生きていくか」のような考え方も多様です。仕事へのやりがいや達成感を感じている状態こそ重要であり、会社のバリューを生み出す源泉となります。僕個人として「一人ひとりのウェルビーイングの追求」をテーマに掲げているのですが、メンバーの想いに耳を傾け、一人ひとりの心身が社会的に健康な状態(=ウェルビーイング)を目指すことで、会社とメンバーの双方が補い合いより良い関係を築くことができると信じています。

FICCは「あらゆるブランドと人がパーパスによって、未来を創り続けている世界の実現」というビジョンがありますが、対外的に掲げているメッセージだけでなく、提供するサービスの内容や質、働くメンバーのマインドや状態、制度やルールなど、中身も伴っている企業でありたいと思っています。そして、将来「FICCがやってることは、ビジネスも組織のあり方も意義がある」と言われるような、FICCが企業としてのロールモデルとなるような状態を目指したいです。そのためには向き合わなくてはならない課題もたくさんありますが、まずはFICCのマーケティング基盤の要である経営推進サポートのさらなるパワーアップはもちろんのこと、共に未来に向けて「どうやってFICCというブランドを見せ、成長させていくか?」を問い続け、追求していきたいです。

執筆:深澤枝里子(FICC)

現在FICCでは、経営推進サポートのメンバーを募集しています。募集の詳細についてはこちらをご確認ください。

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「ブランドマーケティング」

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FICCは、人の想いの共創を通じて、企業やブランドのビジネスを成功へと導くブランドマーケティングエージェンシーです。
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