ブランドをつくるのは「人」。大切なのは「意義を与え、意義をもらうこと」2022期首スピーチ

2022年4月、FICC代表 森 啓子より、全社メンバーに向けて期首のスピーチが行われました。ここでは、過去を振り返り今期のビジョンを推進するために、FICCが組織として何を大切にしていきたいか、また一人ひとりが大切にしてほしいことを森から全メンバーに向けて語られる場です。

今回は、なぜ年始と期首それぞれにスピーチを行うのか、今期FICCメンバーが大切にしてほしいことについて紹介します。

年始と期首、それぞれにスピーチを行う理由

2019年から始まり、4回目となる今回。FICCでは、毎年1月に行う年始スピーチとは別に、4月に期首スピーチが行われます。なぜ分けるのか?その理由は、暦上の年始とFICCの年度のスタートである期首において、それぞれのタイミングで伝える・対話することを大切にしているからです。年始スピーチは、今世の中で何が起きているのか?社会全体の動きを捉え、そのなかで自分たちに何ができるのかを立ち止まって考える場としています。一方で、期首スピーチでは、FICCの軌跡を振り返り、今期組織として目指すことやメンバー一人ひとりが大切にしてほしいことについて想いを届ける場です。当日は、肩書きや役職を超えたメンバー同士が繋がり、スピーチを聞き、ワークショップを通じて同じ時間を共有することで、みんな揃って新しい期を迎える恒例イベントとなっています。

年始に続き、オンラインとオフラインのハイブリッドな環境で開催された今回。メンバーをエンパワーする森のスピーチを紹介します。

「共感」が人の行動を変え、大きな力となる。新たなフェーズに入った2020年

2016年から2019年にかけては「LEADING BRANDS TO DIGITAL」。そして、SDGsの期日まで10年と言われる2020年は「ブランドに対して価値を提供できる会社」を目指すべく、「LEADING BRANDS TO PURPOSE」をFICCは掲げてきました。

コロナ禍もあり、確実に市場が変わりゆくなかで、変化を捉えない無関心なマーケティングであってはならないと感じました。「共感」が人の行動を変え、大きな力となる。そんなマーケティングを目指して、「あらゆるブランドと人がパーパスによって未来を創り続けている世界の実現」というビジョンを掲げ、2020年からFICCは新たなフェーズに入りました。

コロナ禍で困難なこともあったけれど、これまでぶれずに新しいビジョンを推進してきたことで、ブランドを未来へリードできるという自信と、未来に繋がる多くの資源が生まれたことは本当に素晴らしいと感じています。

知らない業界を学び、出会う人と知識や意義を与え合える喜びを

FICCがブランドマーケティングを通じてビジョンを推進する時、必ず忘れてはいけないのが、私たちが向き合っているのは「ブランド」ではなく「人」であることです。なぜなら、ブランドは「人の想い」の集合体であり、ブランドを推進するのはそこにいる「人」だからです。

「クライアントやパートナーの方々にとっての喜びってなんだろう」「その方々と関わることによって自分たちの喜びってなんだろう」

FICCのビジョンで欠かせないのが「人」の存在です。自分たちが関わることで、ブランドに関わる方々に意義を与えて、そして自分たちも意義や喜びをもらうことができるような、そんな感覚を大切にしていきたいと思っています。

FICCに17年在籍する私自身が楽しいと思うのは、いろんな業界のクライアントに会えること。そして、業界のことを勉強する、その学びが絶えないこと。さらに、クライアントだけでなく、そこにいる一人ひとりと出会い、知識と意義を互いに与えられることに喜びを感じます。

FICCのビジョンが捉えている「人」の存在意義を大切にしたブランドマーケティングは、ブランドや社会をエンパワーできるものであり、求められているものです。今期は、全ての価値提供がFICCの大義を体現し、ビジョン推進の根拠となる、そんな姿を目指していきましょう。

FICCの一人ひとりが、FICCというブランドをつくる

リモートワークが始まった2年間で、FICCとは別の環境を選んでいった人もいます。ここ数年に限らず、創業時からずっと様々な出会いと別れを繰り返すなかで、誰がブランドをつくってきたのでしょうか?それは、経営者だけではなく、ブランドに関わってきた一人ひとりです。これまで、「LEADING BRANDS TO DIGITAL」から「LEADING BRANDS TO PURPOSE」へとタグラインは変化してきました。今年は「ブランド」だけではなく「人」の存在を追加した「LEADING BRANDS &PEOPLE TO PURPOSE」という考え方をFICCは大切にしていきたいと思っています。

そんななか、FICCに新しく入社してくれたメンバーは、「FICCのレベルに合わせなきゃ」「FICCって難しいことをやっているけど、自分はできているかな」と不安になることもあるかもしれません。今まで「FIND A BETTER WAY(まだ見ぬ未来の価値のために)」という考えのもと、FICCは新しいことをやり続けてきました。だから、「よくわからないけど、どうしよう」と不安に思う必要はありません。どんな時でも真摯に価値を提供していくんだという姿勢・想いの積み重ねがFICCというブランドを作ってきたのです。その想いをもってFICCというブランドを作っていくんだという想いを一人ひとりには持ってもらいたいと思います。

創業当時から、FICCは「ブランド」や「人」をリードしたいという想いから存在し、自分たちの価値を信じ、ビジョンを推進し続けてきました。どの時代であっても、リードをする存在であり続けるということに変わりはありません。

乗り越えられるかわからないチャレンジを目の前にした時、何を思うか

初めての領域やわからない世界に飛び込んでいく時、どういう心構えを持てばいいのでしょうか。それぞれの瞬間で「何を信じて、飛び込んでいくのか?」一人ひとり頭の中で考えてもらいたいと思います。

乗り越えられるかわからないチャレンジを目の前にした時に、人はいったい何を思うのか。「止まろう、引き返そう、無理だ」、なぜそう思うのか。それは、乗り越えた先にある広がる素晴らしい世界を知らないからです。もし、それを知っていたら、まだ見ぬ領域に飛び込んでいく時の考え方が変わると思うんです。

その先にある素晴らしい世界を知っている人は、次のチャレンジに出会った時も理解することができます。「きっと乗り越えたら素晴らしい世界があるんだろうな」と。それは、未来を想像する力です。

では、未来を想像するってどういうことだと思いますか?それは、過去の積み重ねがあるからこそ、未来を想像することができるんです。今この瞬間を乗り越えていくことで、「未来」を想像することができる「今」をつくっていけるかがとても重要なことです。

ある大切な人に教えてもらった言葉があります。
「ヘブライ語で、『過去』という言葉は『目の前』を意味し、『未来』という言葉は『背後』を意味する」
普通、過去は後ろ、未来は目の前にあるから、真逆の言葉になっていて少し不思議な言葉ですよね。今、目の前で「大変だ」と思っていることは、実は過去を見ているかもしれない。今、目の前にあることに惑わされずに、その先にあるどんな未来をつくるのか、今この瞬間とどう向き合っていくのかと考えることが、未来をつくる人にとってとても重要です。人は経験したことのないような出来事に向き合った時、目の前のことで頭がいっぱいになる。だからこそ、「未来へと振り返る」。この言葉は、まだ見ぬ領域に飛び込んでいく時に、それを乗り越えた先に広がる素晴らしい世界を想像することの大切さを伝えてくれているように感じます。

「まだ見ぬ領域に飛び込んでいくとき、何を信じるのか?」「その先にある世界をつくっていくために、今をどういう過去にしていくのか?」ということを大切にしてほしいと思います。

さらに、FICCのメンバーには、こうあって欲しいと思うことがあります。それは、「未来を創造する人は、怖がらない人」「周りを理由にしない人、決めつけない人」「そんな時間はもったいないと知っている人」です。そして、「未来をつくっていくのは自分」だと信じて動くことです。もちろん、「信じられない、どうしよう」と思うなら、みんながいるから助け合えばいい。ただ、強い心を持って未来をつくっていくことが、FICCが考える「リードすること」であり、欠かせないものです。今自分を信じられるかということが、その先にある未来に繋がる。難しいかもしれないけれど、信じてみることを大切にしてほしいと思います。

FICCが考える「プロフェッショナル」とは

2022年から、これからもFICCというブランドは続いていきます。 決めつけず怖がらず、未来に繋がる今を自分を信じて、まだ見ぬ価値をつくり続けていく。その一人ひとりの集合体がFICCをつくっていく。その想いを私も含めて、みんなで大切にしていきたいと思います。

そして、未来をつくり続ける人は、価値の追求がビジネスの成果で証明されることが分かっている人です。そこが両立していないと、みんなが信じられるものにならず、サスティナブルとはいえず、未来を創造していくための資源が枯渇してしまいます。だから、価値はビジネスの成果で証明され、社会価値の追求とビジネスはトレードオフではないということを大切にして欲しいと思います。いかにイコールにできるかがプロフェッショナルです。足りていないなら学べばいいし、教えてもらえばいい。FICCのパーパスは、必ず社会の価値になるものです。FICCのみんなでパーパスを体現し、それがビジネス成果につながっていく、「プロフェッショナル」という言葉を意識し、みんなで大切にしていきたいと思います。そして、FICCのパーパスから生まれるクロスシンク(答えのない問いに向き合い対話すること)だからこそ、社会価値と経済価値の両方が追求できるという想いを持って、みんなで向き合っていきましょう。

2022年FICCが目指す未来

自らがリードできないと、未来はつくれません。一人ひとりが自分を信じ、「できる」という想いを持つことがとても重要です。

2022年は「FIND A BETTER WAY to LEAD BRANDS & PEOPLE TO PURPOSE」をみんなで大切にしていきたいと思います。ブランドやブランドに関わる人たちに意義を与え、自分たちの意義にもつなげていく、そのために何ができるのかを考え、まだ見ぬ価値を共に創り続けていく。そのためには、チームのコミュニケーションが本当に大切です。だから、今期は可能な限り、オフラインで会っていきたいと思っています。年始スピーチでも話しましたが、FICCのビジョン「あらゆるブランドと人がパーパスによって未来を創り続けている世界の実現」のために、全ての機会で未来をストーリーテリングし、未来を魅せるコミュニケーションができるように、みんなで目指していきたいと思います。

メンバーからのコメント

後日、参加したメンバーからこんなコメントが届きました。

大事なのは、未来への希望を持つこと。そして、自分自身がそれを面白いと思えること。そこに共感してくれる人がいて「意義を与える」ことにも繋がるし、希望を叶えるために誰かに教えてもらったり、ヒントをもらったりすることに意味が生まれて、「意義をもらう」ことができるのではないかと思った。今期は1つの会社の力では難しいことを複数社のクライアントと共創して叶える1年にしたい。そして、自分が好きなエンタメ業界を元気にしたい。

まだ誰もやったことがない新しいプロジェクトへ挑戦するなかで心配もあったが、スピーチを聞いてこのまま行動し続け、突き進んでいこうと思った。地域をテーマに動いていると自分では気づかなかった役割を地域の人からもらえるような感覚になる。これからも業界を超えて想いで繋がる仲間を増やし、プロジェクトの意義を拡げていきたい。

この一年で自分たちが取り組んできたことを通じて少しずつ共感の輪が広がっているし、ブランドマーケティングについての知識もついてきたという実感が出てきた。これまでの経験を活かして、ブランドも気付いていないようなビジネスに繋がる価値を自分が提示できるようになりたいと思った。

執筆:黒田 洋味(FICC)

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