FICCという会社にどんな印象をお持ちですか?
こう投げかけて、よく耳にするのが色のない「モノトーン」という言葉です。そこに含まれる意味合いには、少し無機質なイメージをお持ちな方も多いように感じます。実際、FICCっぽさとはどんなところにあるのでしょう。
2022年12月9日、FICCでは毎年恒例の年末全社会が行われました。3年ぶりに京都チームも合流し、東京オフィスでの開催となりました。今回は、2022年に入社したメンバーが中心となり、新たな運営メンバーの体制で企画されました。フレッシュな視点を持つメンバーがつくった、FICCっぽくない?いつもとはちょっと違う年末全社会の様子をご紹介します。
3年ぶりの東京・京都の合同開催
全社会の開催場所は、東京赤坂オフィス。東京・京都の合同開催は3年ぶり。リモートワークが定着し、新しく入社したメンバーも増えた今、今回交流するのが初めてと言うメンバーもたくさんいました。昨年に続き、一部オンライン参加のメンバーがいるハイブリット形式で行われました。
お面をつけたその瞬間から、すべては始まっていた
今回のテーマは「チキチキ!どうぶつたちの本能バトル大会」です。会を始めるための準備として、自分のどうぶつキャラクターが描かれたお面を頭につけていきます。
今回使用したどうぶつキャラクターは「個性心理學®」と呼ばれる心理学を応用したもの。生年月日から分かるその人の性格や運勢を、12のどうぶつに当てはめ、さらに60のキャラクターに細かく分類されていて、誰でも分かりやすくその人の特徴を理解することができます。
恥ずかしがる様子もなく、頭にお面をつけていくメンバーたち。スタイリッシュでかっこいい印象とはかけ離れた姿になっていきます。「なんだか意外!」「どことなく似てるね」など、お面に描かれたお互いのどうぶつを見て、自然と会話がはずみます。
どうぶつの森をイメージした会場の装飾は、運営メンバーの手づくりによるもの。温もりのあるクラフト感の演出に、どこか懐かしさを感じました。
用意されたお菓子やドリンクも、どうぶつに関係のあるもので統一されていました。
ところで、「なぜどうぶつなのか?」その答えは、後ほど知ることとなります。
取締役 戸塚による挨拶から年末全社会がスタートしました。
バトル1:言われなくても明日には忘れる! ダレ得クイズ
1つめのゲームは、明日には忘れてしまいそうな、誰が得をするのか分からないクイズに答えるチーム対抗戦です。事前に役員の2人に全部で8つの質問をしています。メンバーたちに普段あまり聞かれないような質問内容に、役員の2人ならどう答えるのかを想像しながら、質問の答えをチームでひとつ選択します。
クイズの内容は、「啓子さんが、持っている靴の数は?」「戸塚さんが、家庭科で使っていた裁縫セットのデザインはどれ?」など、まさにダレ得?なものばかり。普段左脳を使ってロジカルに考えることの多いメンバーたちですが、この日は右脳を使って直感で考えます。
一問一答形式で正解発表の後には、「チナミになるかもしれない話」が添えられ、役員はありのままのエピソードをさらけ出していました。
順調にコツコツ正解し、圧倒的な点差があるチームもいるなかで迎えた最終問題。正解したら10,000点のボーナスポイントの大逆転チャンス!最終問題を制するチームが勝利するという展開に、会場はヒートアップしていきます。
そして、大どんでん返しの末、勝利したチームが賞品を手に入れました。
あの日、語られたエピソードの数々は、今頃ダレの記憶に残っているのでしょうか?
バトル2:第六感スパークダイアローグ!お絵かき伝言ゲーム合戦
2つめのゲームは、オンラインアプリ「ガーティックフォン(Gartic Phone)」を使ったお絵かき伝言ゲームです。誰かが考えた文章のお題に、別の誰かが絵を描いて伝え、また別の誰かが絵を見て文章にして回答する。数回繰り返し、最後までうまく伝言が伝わったチームが勝利するチーム対抗戦です。
一同執務エリアに移動し、それぞれのパソコンに向かって準備します。
ゲーム1回目は、どうぶつを主語に述語を掛け合わせた文章でお題を考えます。たとえば、「逆立ちしたクマ」「デートするワニ」のように、自由な発想でお題を作成します。イラストを描いて伝えることをふまえたお題づくりが勝負の明暗を分けることになります。
短い制限時間内でイラストを描く難しさに、言葉にならない魂の叫び声が聞こえてきます。
さらに難易度が上がるゲーム2回目は、3つ以上の言葉を使った文章でお題を考えます。「ブタが転んで骨折した」「寝ながら草を食べるパンダ」というように、1回目よりもお題を考えるハードルが高くなっていきます。
イラストに文字を書くことはNG!どんなイラストなら伝わるのか、考えながら描きます。全く予想外の伝わり方に、いろんな場所で笑いが起きていました。
最後の結果発表では、いろんなチームのイラストGIF画像を公開。さまざまなジャンルの画伯が描く独特なタッチや表現力、そして、ズレていく文章と絵に、会場は笑いの渦に包まれていました。
運営メンバーが独断で選んだチームには特別賞が贈られ、Amazonギフト券がプレゼントされました。
なぜ「どうぶつ」なのか?テーマに込められた想い
運営メンバーの中心にいた坪野 健二郎は、これまでにアパレルや映画のポスターなど、さまざまな広告クリエイティブを手がけてきました。2022年2月にFICCへ入社し、2023年1月現在はアートディレクターとして活躍しています。会も終わりに近づいた頃、運営メンバーを代表して坪野から挨拶がありました。
今年FICCに入社した僕たちは、去年までの年末全社会のことを知りませんでした。だから、「FICCに入社してみて、どー?」と話すところから始めました。そこで、東京と京都、リモートワークという働き方も含め、距離を感じると意見が一致したんです。FICC歴が浅いメンバーで企画するからこそ、今までと同じような全社会を目指すのはなんか違うと感じて、「らしくないことをやろう」という方向で進めることになりました。そこで、FICCっぽいと言われる知的でスタイリッシュでかっこいいイメージではなく、味わいのある手づくり感をベースに企画を考えることにしました。
この会の目的は、「心と心でつながる」でした。眠っている野生の力・本能を解き放ち、距離を超え、言葉を超えて、心がつながるような瞬間を生み出したいという願いから、「どうぶつ」をテーマにしました。そんな瞬間が少しでも生まれていたなら、してやったりです。
普段ものづくりをするうえで、みんなの想いや熱量を話したり、それぞれの個性をどう使うかが大切だと思っています。だから、みなさんの隠れざる個性をどうぶつキャラクターのお面にしてつけてもらいました。そこで、心と心でつながれる体験ができるとFICCはこれからもっと強くなれるんじゃないかと思って、FICC歴が浅い自分たちだからこそ感じたことと希望をテーマに込めました。
運営メンバーのみんなで考えてつくって、大変でしたけど文化祭みたいで楽しかったです。ものづくりってこういう体験だと僕は思っていて、作り手が楽しんでこそ、他の人にもその楽しさが伝わると思っています。なので、もっと体験の解像度をあげて、事業部は関係なくFICCのみんなでつくっていきたいと思います。
「FICCっぽさ」の原点に立ち返った一日に
最後に、森のスピーチでは、「元々、FICCはWeb制作というものづくりから始まっている会社。だから、今日の手づくり感は、原点に立ち返ったような気持ちになった。そこはずっと変わらず、みんなでつくり続ける会社でありたい」と語られました。
「FICCっぽくない会にしよう」と企画された全社会でしたが、クラフト魂といった点では「逆に、体験そのものがFICCっぽかった」という参加メンバーの声もありました。
本能を解き放ち、混ざりあった時間
いつもよりちょっと多めだった歓談タイムも、対面での関わりが少なかったメンバーにとって、とても有意義な時間となりました。
12月に行われた月次定例会で、とあるメンバーから、「『クリエイティブ』という言葉がしっくりこない、何か生み出す場合は 『クラフト』の方がしっくり来る」という発言がありました。クラフトは英語で「手づくり」「技術」「技」などを意味する言葉です。今回の全社会はまさに「クラフト」を表現した場であり、FICCが目指すものづくりを肌で感じる機会になったことでしょう。
冒頭の「FICCっぽさ」はどんなところにあるのか?の問い。3年ぶりにリアル開催となった全社会から、メンバーそれぞれのらしさを混ぜあって参加者も一緒に全社会という場をつくる、そんな一体感を感じました。仕事も遊びも全力で、そんな集団がFICCではないでしょうか。この日メンバー全員で取り組んだ体験が、今後のFICCという会社の栄養となり新しいものを生み出す一歩となるよう、これからもメンバー全員で取り組んでいきたいと思います。
執筆:黒田 洋味(FICC) 撮影:後藤 真一郎